漫画やアニメの子どもポルノの方がユダヤ人や黒人を人間以下の虫けらとして描き出すプロパガンダよりもはるかに有害だ(ポルノ被害と性暴力を考える会関係者)

漫画表現の規制強化を推進しているフェミニスト団体「ポルノ被害と性暴力を考える会」の母体である「ポルノ・買春問題研究会」(ややこしい)のメルマガより。執筆者は両団体の設立スタッフである森田成也氏。
 
トロツキー系の極左団体「日本革命的共産主義者同盟」のシンパでもある森田氏曰く、「漫画やアニメの子どもポルノの方がユダヤ人や黒人を人間以下の虫けらとして描き出すプロパガンダよりもはるかに有害」「漫画やアニメが無害ならユダヤ人のジェノサイドを推奨するあらゆるプロパガンダも無害。黒人を人間以下の動物と描き出すあらゆるプロパガンダも無害」なのだそうです。
 

アメリカで児童ポルノ禁止法が違憲判決
ポルノ・買春問題研究会、2002年4月17日)
http://web.archive.org/web/*/http://old.app-jp.org/voice/2002/02.04.17.html

CNNニュースによりますと、アメリカの連邦最高裁は、ヴァーチャルな児童ポルノ(漫画やCGやアニメなど)も禁止した1996年成立のアメリカの児童ポルノ禁止法を、憲法修正第1条に違反するものという判決を下しました。
 
判決はその中で、昔から芸術や文学の中で子どもの性が扱われているので、それを禁止することは表現の自由に反するというのです。このような論理が成り立つなら、昔から家庭で女性は殴られてきたので、女性殴打は男性の行動の自由だと言うこともできるでしょう。また判決は、最近のアカデミー賞映画『アメリカン・ビューティ』をも取り上げて、児童ポルノを擁護しています。しかし、この映画が、この児童ポルノ禁止法で起訴されたという話は聞いたことがありません。まったく牽強付会の説明というべきでしょう。
 
いずれにせよ、アメリカでの違憲判決が、日本における法改正にとって逆風になることは間違いないし、児童ポルノ漫画やポルノアニメを擁護する人々にとって順風となることも間違いありません。
 
日本には、宮台真司をはじめとして、実際の生身の子どもを使わないものなら、どんなポルノでも性的搾取ではなく、表現の自由として擁護されるべきであると主張する多くの人々がいます。一部の女性もその中に参加しています。児童ポルノ漫画やアニメやパソコンゲームが、その主たるテーマをレイプ、集団レイプ、フェラチオ、SM、スカトロ、監禁調教などにおき、これでもかと言わんばかりに少女を徹底的に陵辱しつくし、かつそれを、少女が喜んで受け入れるというストーリーがあふれかえっています。性行為の相手は親、兄、近所のおじさん、教師、警官その他であり、あらゆる権力関係がエロチックな道具立てとして用いられています。
 
対象が生身の少女でないだけに、現実には不可能なあらゆることが、このバーチャルな少女に対して行使されます(少女を殺してしまう場合もあります)。そして、現実にはありえないような姿をした少女たちが現実にはありえないような形でそうした虐待行為に反応し、それを喜んで受け入れます。あるいは、いやがっていたとしても、その姿がエロチックなものとして描かれます。そこでは、現実にともなう悲惨さや痛々しさがいっさい消去され、少女の人間性は完全かつ全面的に剥奪され、こうして、少女ポルノに対する性的アディクションに多くの男性をいざなうことができます。
 
それは、漫画やアニメを通じた性暴力です。そして、漫画やアニメというバーチャルなものだけに、いとも簡単に大量生産され、次々と「新作」を作り出すことができます。まさに性暴力の大量生産です。
 
「バーチャルな」子どもポルノは、生身の少女を使った「リアルな」子どもポルノと不可分であり、相互に補完しあっています。「バーチャルな」子どもポルノは、「リアルな」子どもポルノに対する需要を作り出し、さらには実際の生身の少女に対する性的虐待への欲求を喚起します。そして、少女を虐待する男たちは、それを写真やビデオにおさめて、私的ポルノを作り出します。他方、実際の生身の少女を使ったポルノでは満足できない欲求を、漫画やアニメによる子どもポルノが満たします。たとえば、幼い少女でありながら大きな胸とお尻をもち、淫乱であるという設定は、漫画やアニメでこそ完全に実現することができます。一方を非難し、他方を擁護するということは、論理的にも現実的にもありえないことです。
 
このような漫画やアニメが無害なら、ユダヤ人のジェノサイドを推奨するあらゆるプロパガンダも無害だし、黒人を人間以下の動物と描き出すあらゆるプロパガンダも無害だということになるでしょう。実際のユダヤ人や実際の黒人を使っていないからといって、これらのプロパガンダが無害なものに転化するでしょうか? 最も下劣な差別主義者以外はそんなことは言わないでしょう。しかし、対象がいざポルノグラフィになると、突然、多くの人々が、最も下劣な差別主義者と同じ論理を振りかざし、「自分たちは本当は児童ポルノに反対なのだ」などと言いながら、漫画アニメの児童ポルノを擁護するのです。
 
いや、漫画やアニメの子どもポルノの方が、ユダヤ人や黒人を人間以下の虫けらとして描き出すプロパガンダよりもはるかに有害です。なぜなら、いまや実際にユダヤ人を大量殺戮する強制収容所はないし(悲しむべきことに、パレスチナでは逆に虐殺する側に回っています)、黒人を実際に奴隷化している国もありませんが、子どもに関しては、世界中どこでも、家庭や学校という名の小さな「収容所」が無数に存在し、そこで何万、何十万の子どもたちが身体的ないし性的に虐待され、そしてしばしば殺されているからです。そして、今なお、ポルノ制作や売買春目的での子どもの誘拐や人身売買が世界中で無数に行なわれているからです。多数の子どもたちが実際に性的に虐待され、売り買いされ、殺されている社会で、子どもたちをレイプと虐待と監禁調教の対象として楽しむ「写実的なもの」がストーリー性をもってあふれかえっていることは、まさに、実際にユダヤ人虐殺が行なわれている国で、ユダヤ人を虫けらとして描き出す漫画やアニメを大量に生産・販売することと本質的に同じです。そのような「表現」は、直接的に暴力であり、虐殺に加担する行為であることは少しでも物事を考えることができるすべての人にとって当然のことでしょう。漫画やアニメやゲームの子どもポルノを擁護する人々は、主観的にはどうあれ、その行為によって、事実上、子どもに対する性的虐待とレイプと人身売買を擁護しているのです。(M.S)

 

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