児童ポルノ禁止法「幻の三党合意」('09年)について

また本日は、参院の本会議に先立ちまして、民主党の法務部会も開かれまして、児童ポルノ禁止法への対応が議題として上がりました。与野党の関係者から本日お伺いしたところによりますと、21年のいわゆる「幻の三党合意」をベースに、議論が進んでいくのではないかとの見立てが有力です。
https://twitter.com/ogi_fuji_npo/status/446660143439044608

 
表現規制反対派団体うぐいすリボンの荻野幸太郎代表が言及した「幻の三党合意」についての補足です。以下、旧ブログのエントリー(2009年12月9日)から 。
 

児童ポルノ法、青少年条例など性表現規制強化の動き/新政権発足後も水面下で激しい動きが
(月刊「創」 2010年1月号)
http://xc523.eccart.jp/h575/item_detail/itemId,227/

 
松文館裁判を取材した「わいせつコミック裁判/松文館事件の全貌」「発禁処分」の著者であるジャーナリストの長岡義幸氏が、月刊「創」2010年1月号で、民主党政権発足前後における与野党表現規制推進派の暴走を取り上げています。
 
この記事によると民主党小宮山洋子議員*1が、塩崎恭久議員・高市早苗議員・森雅子議員などの自公議員と共に、臨時国会児童ポルノ禁止法改正案の成立を強行しようと目論んだそうです。しかもこれには法務省のキャリア官僚が一枚噛んでいたとの事。千葉景子法相もこのキャリア官僚に言い包められたらしく、保坂展人氏曰く「本当に危ないところだった」。
 

(´・ω・`)カスパル・ジュベネイル他の団体関係スレッド('A`)
(Запретная Зона、2009年12月08日)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/410/1130823584/594

今日本屋で「創」を立ち読みしてたら、長岡義幸氏による児ポ法改定問題の記事が載ってた。
衆院解散前の審議からつい最近の都青協の動きまでを取り上げている。
気になったのは、
 
塩崎と小宮山ら有志が解散前と同様の案を作ろうとした
・ 自公は実績を得るために民主に児ポ法成立を呼びかけた
・ 社民に委員長提案を要求した自民党の議員は山口俊一
しかし、枝野(幸男)が納得せず、社民も慎重な姿勢を崩さなかったため、自公も一枚岩ではなく、結局高市と森雅子ら強硬派の案が通った
・ 都青協での関口議員の活躍ぶりは知られるが、欠席して文書で関口議員と同様の慎重論を唱えた議員2人はいずれも民主会派
 
こんな感じかな。結構具体的に書かれているんで、読んでみてくれ

 

参考資料:議論なしで「児童ポルノ法改正」を急ぐべきではない
保坂展人のどこどこ日記、2009年11月17日)
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/9569a418e9fe92a7e2ca439d5c4688e7

 

創 (つくる) 2010年 01月号 [雑誌]

創 (つくる) 2010年 01月号 [雑誌]

*1:2013年に政界引退。

漫画・アニメ・ゲーム規制についての“三党合意”('09年)

漫画・アニメ・ゲーム規制についての“三党合意”については、この記事が詳しいです。
 

徹底検証「児童ポルノ禁止法改正案」の危うい中身
(現代ビジネス、2011年7月31日)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/13559

実際、'09年の審議では、民主党が自・公両党に歩み寄り、一度は「単純所持」に規制を設けることで同意した過去がある。今回も民主党が自・公案に歩み寄る可能性がないとは言い切れないのだ。

この歩み寄りにこそ、漫画・アニメへの表現規制に繋がる危険がある。自・公案には、児童ポルノに類する漫画やアニメと、児童の権利侵害との関連性を調査研究するという検討事項が明記されているが、実は、'09年に民主党の歩み寄りの中で一度は決まった3党合意は、この点についてさらに踏み込んだ内容だったからだ。前出の小宮山氏が言う。

「'09年の3党合意では、漫画やアニメの規制については別の法律での規制を検討する、という付帯事項が付けられていました。ワイセツな漫画やアニメの規制は別途議論する必要があるでしょう」

つまり将来的には、昨年12月に可決成立した東京都青少年健全育成条例のような規制が、法律レベルで行われる可能性があるのだ。しかし、「子供を守るため」という正論を振りかざして、漫画・アニメへの表現規制が進められるなどということは、到底許すことができない。

 

だれもが偽善者になる本当の理由

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