漫画規制派の最右翼・平沢勝栄議員(自民)について

平沢勝栄議員(自民党)は、警察官僚時代から今日に至るまで漫画表現に圧力をかけ続けているゴリゴリの規制推進派。2002年には、その政治力を行使して松文館事件(漫画家、編集者、出版社代表が逮捕された)を引き起こしています。
 

 

松文館裁判
http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/9018/shoubun-index.html

2002年10月5日、ひとりの漫画家が突然警察に逮捕された
その罪状は「漫画を描いたこと」だった
自宅マンションに踏み込んできた刑事達は有無を言わせず彼に手錠をかけた
仕事先の出版社に踏み込んできた刑事達は編集長と社長を連行し
社内のパソコンとフロッピーと帳簿と在庫漫画数千冊を全部持ち去ってしまった
翌日の新聞では「ワイセツ図画頒布で漫画家逮捕」と記事になった
でも「なぜそれがワイセツなのか」の説明は一言もなかった
無論「エロ漫画」を描いているのは彼ひとりではない
大勢の作家のなかでどうして彼だけが「犯罪者」にされたのだろうか?

 
成年漫画編集者の塩山芳明氏が語る、警察官僚時代の平沢氏について。
 

「これは覚醒剤だと私は言ってるんです。一度依存したら離れられなくなって、そのうち自民党の支持基盤はボロボロになっていく。菅直人さんは公明党との連立は毒饅頭を食うようなものだと言うけど、毒饅頭はすぐ死にますよね。これは違います」(『諸君!』9月号)発言者は平沢勝栄後藤田正晴亀井静香共々、警察腐敗の元凶の一人だが、創価学会批判だけは真っ当。罪ほろぼしにもっとやれ。あんたが保安第一課長だった10年前、「平沢勝栄殿」と、始末書を何十枚も書かされたっけ。

昨日の始末書への補足。90年代前半まで、警視庁保安課は各エロ本編集者を毎月出頭させ、「2度といたしません」との始末書を提出させた。筆者も多い時は、1度に3~4枚書いた。風営法改正で警察が超利権官庁と化す以前の、のどかな時代の話。

https://web.archive.org/web/20010423005141/http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/nikkan/nikkan04.html

 
ちなみに平沢氏は、パチンコやAVなどの業界団体に顔が利く政治家として知られています
 

 

ビジュアルソフト・コンテンツ産業協同組合(アダルトビデオなどの審査団体)
https://web.archive.org/web/20080302182654/http://www.vsic.jp/membership.html

顧問:荒井 昭 [平沢勝栄代議士事務所顧問・元警視庁参事官・元東京都副出納長]

 

反パチンコの動きを「しっかりとつぶしておかないと」と発言した平沢勝栄衆議院議員
(インシデンツ、2011年8月8日)
http://incidents.cocolog-nifty.com/the_incidents/2013/05/post-c18c.html

平沢議員が言及する「おかしな動きをしているグループ」とは、5月25日に都内で設立大会を開いた「パチンコの違法化・大幅課税を求める議員と国民の会」(小坂英二代表世話人=東京都荒川区議会議員)や、パチンコの廃止を求めてデモなどを行う「在日特権を許さない市民の会」(桜井誠会長)を念頭に置いているとみられる。日電協の総会には、警察OBのみならず、川口晃・警察庁保安課長補佐ら現職も招かれている。その席で、元警察庁キャリアの平沢議員が反パチンコの動きを「しっかりとつぶしておかないと」と発言したことは、警察に取り締まりを求めているように聞こえる。

 
どうでもいい事ですが、平沢氏とその腹心である荒井昭氏の名前で検索をかけると、興味深いエントリが幾つも引っかかりますねw 
  
それでは最後に、国内最大の右派団体であり、規制推進団体でもある日本会議に寄せた平沢氏のコメントを紹介します。
 

誇りのもてる美しい日本へ(平沢勝栄議員)
日本会議公式サイト
http://www.nipponkaigi.org/voice/10years#years1027

憲法改正などによる「誇りのもてる美しい日本」の実現は、国家百年の大計のために是非ともやりとげなければなりません。

 
これが「誇りのもてる美しい日本」とやらを実現する為の改憲草案です。
 

国民の権利及び義務に関する小委員会(自民党憲法起草委員会)
https://web.archive.org/web/20130328142252/http://www.kyodo-center.jp/ugoki/kiji/jimin-youkou.htm

b. 表現の自由(21条)について
○ 集会、結杜及び言論、出版その他一切の表現の自由は保障されるが、青少年の健全育成に悪影響を与えるおそれのある有害情報や図書の出版・販売は、「公共の秩序」に照らして、法律によって制限されうることを追加する。
*「思想・表現の自由」は基本的人権の中でも最も重要な概念であるが、有害図書の氾濫という現状を考えるとその一部制限はやむをえない。

 

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「空想の子供の性的搾取描写を犯罪として扱え」 国連、日本に勧告

JKビジネスの禁止勧告 国連の特別報告者
(朝日新聞、2016年3月8日)
http://www.asahi.com/articles/ASJ380FGVJ37UHBI035.html

日本のアニメや漫画、ゲームにも報告書は言及。それらの一部が「過激な児童ポルノ表現」を含んでおり、「日本は、空想上の子供の性的搾取描写の中心的な製作国だと指摘されている」とした。また「性的に挑発的なポーズをとらせた7~12歳の子供の写真などの『着エロ』(着衣のままで性的なポーズを取る写真や映像)が容易に手に入る」ことも特に問題視した。

報告書はそうした「子供らに関する仮想の画像や描写物」について、製作や配布、所持などを犯罪として扱うことなどを勧告した。

ブキッキオ氏を巡っては、昨年10月の来日時の記者会見で、「(日本の)女子学生の13%が援助交際を経験している」と発言し、外務省が抗議。発言は事実上撤回されている。

  

日本の夫婦同姓・マタハラ…女性差別撤廃、国連委が勧告
朝日新聞、2016年3月8日)
http://www.asahi.com/articles/ASJ376GBPJ37UHBI028.html

■勧告の骨子
 
・女性だけの再婚禁止期間の廃止、選択的夫婦別姓の採用など、民法の改正
 
・妊娠・出産に関わるハラスメントを含む雇用差別、職場でのセクハラを禁止し、防ぐための法整備をする
 
・2020年に指導的地位に占める女性の割合を30%にするための効果的な手段を確保する
 
慰安婦問題では、被害者の権利を認識し、補償や公的な謝罪、尊厳の回復を含む、完全で効果的な癒やしと償いを提供する。日韓合意の履行にあたり、被害者の意向を十分に考慮する
 
女性差別的なポルノやゲーム、アニメなどの規制

 
国連の「子どもの売買、児童売春、児童ポルノに関する特別報告者」と「女性差別撤廃委員会」から日本に対して勧告が出されたが、案の定、またいつもの規制派フェミニストらの馬鹿げた主張が反映されていた。とんだ茶番だ。
  

 *1
 
ちなみに「空想の子供の性的搾取」を描いた漫画の作者や出版元、そして読者を摘発できるように法整備をした韓国では深刻な人権侵害が発生した。日本に「亡命」した漫画家も出ている模様。
  

韓国は表現規制の先進国!?坂井崇俊編集長による韓国調査レポート
(AFEE、2015年12月21日)
http://afee.jp/2015/12/21/6917/

罰則についてもかなり重たいと思います。成人女性に対する強姦は3年以上の懲役ですが、実在児童を強姦せずとも児童ポルに該当するマンガやアニメを製作するだけで、懲役5年以上で10年間の就業制限、20年間の身元登録が必要になります。実在と非実在の区別をせずにアチョン法を作ってしまった欠陥だと考えています。ただ、このような状況にあるにも関わらず、アチョン法を改正しようという動きは一部に留まっています。実際に創作物規制を外すような法案が出されていますが、廃案になっています。 

 

1年で2200人あまりが逮捕された苛烈すぎる韓国の「非実在児童ポルノ規制の現状……山田太郎参議院議員が市民集会で報告
(おたぽる、2015年12月2日)
http://otapol.jp/2015/12/post-4833.html

山田太郎氏は先日の韓国訪問を踏まえて、マンガ・アニメ・ゲームの規制について解説。2011年から始まった仮想物を含めて「児童ポルノ」を取り締まるアチョン法によって2,200人あまりが逮捕されていることを説明。現在、最高裁では取り締まり範囲を制限する判決を下したが、憲法裁判所が仮想物の規制について合憲判決を下し、国会でも創作物規制の条項を廃止する法案は廃案となっている現状に憂慮を示した。

 
「日本は児童ポルノ天国だ!」の次は「日本は空想児童ポルノ天国だ!」と謗られるのかと思うと、もはや嗤うしかない。
 

 
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*1:文字数制限で「ポルノ被害の会」とツイートした。

高市早苗総務大臣「私は残忍なゲーム、猥褻な漫画の法規制を目指して活動中です」

電波停止発言で火達磨になっている高市早苗総務大臣についてのツイート集です。掲載終了のリンク先も修正しました。
 

衆法 第183回国会 22 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案

安倍側近・西村康稔副大臣ベトナム買春を相手ホステスが告白! | スクープ速報 - 週刊文春WEB

第177回国会 2462 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の早期改正を求めることに関する請願


 
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日本人フェミニスト弁護士と国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)について

国連女子差別撤廃委員会のマンガ・ゲーム販売停止勧告/山田太郎参院議員
(BLOGOS、2015年10月24日)
http://blogos.com/article/140933/

国連女子差別撤廃委員会について、来年3月の再勧告を踏まえて、外務省及び内閣府からレクチャーを受けました。前回、ゲームやアニメの規制勧告を受けており、今回も対応によっては、再度同様の勧告がなされる可能性があります。

 
問題となっている国連女子差別撤廃委員会(CEDAW)の委員長は日本人。林陽子氏という規制派フェミニストです。前回(2009年)、CEDAWは児童ポルノ禁止法改正案に漫画やゲームなどに対する規制を盛り込むように勧告しましたが、その当時、彼女はCEDAW委員でした。
 

林陽子さん=日本人初の国連女性差別撤廃委員会委員長
毎日新聞、2015年9月30日)
http://mainichi.jp/articles/20150930/ddm/008/070/088000c

 
今後、各所で林陽子氏の名前が出てくる機会が増えると思うので、旧ブログのエントリ(2009年8月)から抜粋したものを再アップします。


<以下、再掲>

女性差別撤廃への対応「日本は不十分」国連委が勧告
朝日新聞、2009年8月20日)
https://web.archive.org/web/20091001051508/http://www.asahi.com/national/update/0819/TKY200908190430.html

日本における女性差別撤廃条約の実施状況を6年ぶりに審査していた国連女性差別撤廃委員会が18日、日本への勧告を盛り込んだ最終見解を公表した。前回03年の審査後に出された勧告への対応が「不十分だ」として「遺憾」を表明。夫婦同姓や結婚可能年齢の男女差といった民法の差別的規定の改正や、女性の雇用環境の改善などを改めて求めた。
 
見解では少子化男女共同参画担当大臣の任命、女性の社会進出の数値目標などを盛り込んだ 第2次男女共同参画基本計画の策定といった取り組みが評価された一方、一般職と総合職などの 「コース別雇用管理」の形をとった「間接差別」や、男女の賃金格差への懸念が繰り返された。特に、民法改正が行われていないことについては「直ちに行動を」と求めた。
 
性差別による人権侵害で国の対応が不十分な場合に委員会へ直接訴える道を開く「個人通報制度」についても、この制度が盛り込まれた選択議定書の批准を検討するよう提案。レイプや性暴力を扱ったビデオゲームや漫画の販売禁止従軍慰安婦問題の「恒久的解決」に向けた取り組みも勧告した。

 
「レイプや性暴力を扱ったビデオゲームや漫画の販売禁止」の勧告については有志の方が翻訳しましたので、目を通しておいて下さい。児童ポルノ禁止法改正案に、2次元規制を含めるように推奨しています。
 

35. 委員会は児童買春に対してとられた立法上の基準、この法律に抵触した犯罪に対する最長刑期を延長した児童ポルノ、児童買春禁止法の改定を歓迎する一方で、レイプ、ギャングレイプ、ストーキング及び女性や少女への猥褻行為を扱うビデオゲームや漫画の普及によってもたらされる当該国における性暴力の常態化を懸念している。委員会はそれらのビデオゲームや漫画が児童ポルノ、児童買春禁止法において児童ポルノの法的定義から外れていることに懸念を抱きつつ留意している。
 
36. 委員会は女性や少女に対する性暴力を常態化したり助長するような、女性に対するレイプや性暴力を含むビデオゲームや漫画の販売を禁止するよう当該国に強く勧告する。委員会はまた、建設的な質疑討論の間になされた代表団による口頭での保証に示されたように、当該国がこの問題を児童ポルノ、児童買春禁止法の改定に含めることを推奨する。
 
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/410/1130823584/401

 
ちなみにこの勧告を出した国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)には、林陽子氏という規制推進派の日本人弁護士が在籍しています。
 

Committee on the Elimination of Discrimination against Women - Membership
国際連合人権高等弁務官事務所、2009年5月)
https://web.archive.org/web/20090522221131/http://www2.ohchr.org/english/bodies/cedaw/membership.htm

Ms. Yoko Hayashi(Japan)

 

国際機関就職支援インタビュー 林陽子会員
(日本弁護士連合会、2009年3月3日)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/kokusai/shushokushien/interview3.html

Q:委員としての仕事について簡単に教えて下さい。
 
林氏:まず政府報告書審査の仕事が6割程度です。委員は、政府報告書とNGOのレポート、その他関連する国連文書を読み込み、委員会で当該国の政府代表団との間で質疑応答を行い、意見をまとめて当該国に対する勧告を出します。


林氏は、内閣府男女共同参画会議の場で、「調教ゲーム製作に犯罪組織が関わっている」という滅茶苦茶なデマを流して批判された過去があります。
 

第12回男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会議事要旨
男女共同参画局、2002年4月24日)
http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/boryoku/yousi/bo12-y.html

林委員:調教ゲームや強姦ビデオなどの製造販売が、犯罪組織の資金源になっているということを明らかにすれば、このような問題に対する社会の見る目も変わってくるのではないか。


また彼女は規制派フェミニスト団体「ポルノ・買春問題研究会」(通称APP研究会。ポルノ被害と性暴力を考える会の母体)の共同代表である角田由紀子氏や中里見博氏らと同じくジェンダー法学会の理事を務めています。*1
 

ジェンダー法学会 第三期理事会・監事・事務局
https://web.archive.org/web/20090905150345/http://wwwsoc.nii.ac.jp/genderlaw/hokkinin.htm

林陽子(第二東京弁護士会
中里見博福島大学
角田由紀子静岡県弁護士会

 
やはり、今回の国連委勧告問題もAPP研究会とジェンダー法学会周辺の規制派フェミニストらによるマッチポンプの疑いがあります。
 

*1:改めて確認したところ例の伊藤和子氏も理事をしている。http://www.tabi-go.com/genderlaw/kiyaku.php?page=hokkinin.html

戦前もまず表現規制、そして国民の考えを取り締まった(ちばてつや氏/漫画家)

戦前もまず表現規制、そして国民の考えを取り締まった ちばてつやさん(漫画家)
赤旗、2014年9月07日)
http://mitb.jpn.org/20140907_masterchiba.jpg

いまの日本を見ていると、戦争へ突き進んでいった昭和初期の状況に、だんだん近づいているんじゃないかという気がしてなりません。
 
戦前のことや、戦後間もなくのころのことを知っている人も少なくなりました。自分も含めて、その人たちが感じていることは、いまは、戦前の空気に似通ってきたということです。
 
東京都青少年健全育成条例とか、児童ポルノ禁止法「改正」とか、漫画やアニメの表現の自由に関わるような問題が続いています。児童ポルノ禁止法「改正」では、たった数日間の国会審議で通されていますよね
 
戦前もまず、「エロ・グロ・ナンセンス」がやり玉にあがりました。エロ小説とかエロ写真とか・・・。「日本がこんな大変な時に、こんなものが出回っている」「こんな下品なものはこの世から消してしまえ」という雰囲気があった。そういうものは取り締まりやすいし、そのための法律も作りやすかったんですね。
 
そのうち、同じ法律で新聞記事や本、放送の規制にまで広げていきました。国民の目をふさぎ、耳をふさぎ、口をふさぐというように、国民の考えそのものを取り締まっていくことになっていった。権力を持つ人たちは自分たちが持って行きたい方向へ、国民ごと国を持って行く。反対する人、自分たちにとって都合の悪い余計なことを言う人はどんどん牢屋に入れられた。それが戦前の日本だったんです。